今月始めに掲載した別記事『2025年「チョコミントアイス」徹底比較!ファミリーマート&セブン-イレブン 9品食べ比べ』でも紹介した通り、現在さまざまなメーカーによるチョコミントアイスをお店で見かけるようになりました。セブン-イレブンやファミリーマートでは、チョコミントに特化したキャンペーンを打ち出しており、今後ますます「チョコミン党」が増えて来る予感がしますね。そこで、今回は、 “ハッカの聖地” である北海道北見市 から、ハッカの老舗「北見ハッカ通商」が手掛けるこだわりのミントアイス4種を紹介します。また、ミントやハッカに関する基礎知識もお伝えします!
「ミント」と「ハッカ」の違い・歴史・効能
ミントアイスの魅力を語る上で欠かせないのが、その主役である「ハッカ」の背景です。
「ハッカ」とは、シソ科ハッカ属の植物である「ミント」の和名。世界中には数十種類から数百種類ものハッカ属の植物が存在すると言われています。その中でも、日本で古くから栽培されてきた 「和種ハッカ」 は、爽やかな清涼感をもたらす主成分「L-メントール」の含有量が非常に高く、ペパーミントの2倍以上とも言われています。

ハッカの歴史は古く、ギリシャやローマ、エジプトなどでは古代から生薬として利用されてきました。日本に伝わってきたのは5世紀頃。平安時代には既に中国から伝来されたという記録が確認されています。本格的な栽培は江戸時代、岡山で始まり、明治時代以降になると、北海道の北見地方で盛んに栽培されるようになりました。夏から秋にかけて乾燥する気候がハッカ栽培に適していたため、北見は一時期、世界生産量の70%を担う 「ハッカのまち」 として栄えました。しかし、戦後になると、安価な外国産や合成メントールの普及により、日本のハッカ産業は衰退の道を辿ります。
そんな中、「北見ハッカ通商」は、地元の農家さんとの協力のもと「消えてしまうかもしれなかった幻の和ハッカ」 と呼ばれる品種「JM-23号」の生産を続けながら、北見産和種ハッカの魅力を広めています。
ハッカの清涼感は、集中力を高めたり、精神的な疲労に働きかけたりする効果があり、食品香料や化粧品、防虫剤、消臭剤など、幅広い用途で活用されています。
ハッカの老舗 北見ハッカ通商と薄荷堂
今回ご紹介するアイスを手掛けるのは、今年創業40年を迎えた「株式会社北見ハッカ通商」 です。ハッカの本場である北見市に本社を構え、ハッカ油をはじめとする約50種類ものハッカ関連商品を展開。その歴史と品質へのこだわりが詰まった製品を提供しています。
誰もが知る「ハッカ油」や「ハッカ飴」も、この北見ハッカ通商が製造しています。
アイス好きとして中でも注目すべきは、この北見ハッカ通商が運営する、ジェラートやソフトクリームを提供する直営店 「薄荷堂(HAKKA’DO)」 。社長さんが大のアイス好きで、ミントジェラートのために自社のアイスクリーム工場を作ってしまうほどのこだわりぶりなんだとか!ジェラートの開発のきっかけとなったのは、交流のある明治大学経営学部の学生たちの一言で、「若者はチョコミントが好き」 という意見から、若い人たちにも喜ばれる商品を届けたいという想いで開発に着手したそうです。
薄荷堂は、2024年4月13日、北見本社設備をリニューアルして 「薄荷堂本店」 としてオープンしました。ここではハッカ製品の販売のほか、貴重な北見ハッカの歴史資料を展示する「KITAMINTHALL」も併設されています。ハッカを見て、触れて、香ってリフレッシュできる、まさに 「ハッカの殿堂」ともいえる場所。また、札幌市にも 「薄荷堂札幌店」 を構え、北見が生むハッカの魅力を札幌から発信する拠点となっています。


餅は餅屋。ミント(ハッカ)はミント屋。北見ハッカ通商のご自慢ミントアイス
それでは、北見ハッカ通商が誇る4種類のミントアイスを、それぞれの特徴とともに紹介します!
「チョコチップミントジェラート」

商品説明・特徴
ミルクベースのミントアイスにチョコチップを散りばめたカップアイス。
オホーツク産の生乳、北海道産の生クリームや砂糖、北見産の和種ハッカ油を配合しています。ミントの色にはほうれん草由来の天然着色料を使用しています。
まさにチョコミントアイスの鏡。クールなハッカと甘美なチョコの波状ハーモニー

蓋を開けた瞬間、目に飛び込んできたのがミントグリーンの世界。天然の着色料として使われているほうれん草が、穏やかで美しい緑色を醸し出しています。
口に含むと、ひやっとしたハッカが感覚を刺激してきます。日本のミントらしい、雑味がなくクリアで、どことなく和を感じるようなたおやかな香りが鼻腔を駆け抜けていきます。ひんやりとしたジェラートが舌の上でとろけると同時に、クールなミントの清涼感が口いっぱいに広がり、夏の火照った体を内側から優しく冷ましてくれるようです。
この鮮やかなハッカのインパクトが落ち着きだすと、今度は北海道の恵みを感じさせる濃厚なミルクが、徐々に顔を覗かせてきます。

そして、忘れてはならないのがチョコチップ。 優しい甘みが主役のハッカとミルクの風味を決して邪魔することなく、むしろ2つの魅力を最大限に引き立てているよう。ミントの爽やかさと、後から追いかけてくるチョコレートの甘み。この「クール&スイート」による時間差アプローチで、食べ進めてもしつこさがなく、後味はどこまでも上品ですっきり。絶妙なタイミングとバランス全てが計算し尽くされているのだとしたら、これはハッカの本家だけがなせ技なのでしょう。まさに「チョコミントアイスの鏡」と呼ぶにふさわしい逸品です。
「塩ミルクミントジェラート」

商品説明・特徴
「チョコチップミントジェラート」と同じく、オホーツク産の生乳、北海道産生クリーム、砂糖、ハッカを配合。塩はオホーツク産の海塩を使用しています。
オホーツクの生態系が創り出す、甘じょっぱさの先を超えた「塩ミルクミントジェラート」の新たな感覚
こちらは蓋を開けると、一見ミントが入っているとは思えないほどの純白。

口にした瞬間感じたのは、その見た目からは想像もつかないミントの清涼感。「こんなに真っ白なのにどこにミントが?」と疑問に思うほど。これも「チョコチップミントジェラート」と同じくハッカ油によるもので、ミントの爽快な空気が口いっぱいに広がり、鼻に抜けると同時にスッと揮発していくような感覚を味わえます。

そしてその清涼感を支えるのが、濃厚でまろやかなミルクと、キリリと輪郭の整ったオホーツクの塩。塩がミルクの甘みを引き締め、味わいに深い奥行きが生まれます。コクのあるミルクの中に溶け込む滋養たっぷりの塩。この甘じょっぱさのバランスがあまりにも魅力的で、「いっそ塩ミルクアイスとして出してほしい…!」と思ってしまうほどです。
生乳もミルクも塩も、もちろんハッカも、すべて同じオホーツクの大地で培われた素材たち。その調和は、まるで一つの生態系が生み出す奇跡のよう。互いに高め合い、引き出された素材の魅力は、カップ一杯のジェラートの中に、雄大な北海道の自然そのものを映し出しているかのようです。
「チョコミントジェラート」

商品説明・特徴
カカオ70%以上のクーベルチュール・スィートチョコレートと、口どけの良いチョコチップを使用。もちろん、和種ハッカも配合しています。ちなみに、この「チョコミントジェラート」と先に紹介した「チョコチップミントジェラート」、「塩ミルクミントジェラート」は、オホーツクブランド認証商品でもあります。
異なる「苦み」が織りなす大人のマリアージュ。まさに究極のチョコミントジェラート

こちらも「塩ミルクミントジェラート」と同じく、一見ミントが入っているとは思えないような美しいチョコレート色。またしても外観を上回るミントの存在感に嬉しい驚きを覚えます。
甘さ控えめで、ビターな味わいのあるクーベルチュールチョコレート。そして口に広がる爽やかなミントの香り。この2つの扱いが秀逸で、カカオ70%以上のビターな味とミントの爽快感ある苦味が心地よく融合しています。さらに、口溶けの良いチョコチップが滑らかな舌触りをプラス。大人の味わいに酔いしれる、満足度たっぷりのチョコミントアイスです。

全体をまろやかに包み込むミルクの風味と、芳醇なアロマをともなうカカオの奥深い苦みが落ち着きのある下支えとなり、そこに柔らかさがありつつも爽快なミントが溶け込みます。この上質なジェラートは、まさにミントの第一人者がなせる技といっても過言ではないでしょう。ミントのベストパートナーであるチョコレートとの合わせ技において、右に出る者はいないと確信させられるクオリティです。
「ソフトクリーム」

商品説明・特徴
薄荷堂本店で、先述のミントジェラートとともに限定販売しているソフトクリームです。オホーツク産の新鮮な牛乳、厳選された道産グラニュー糖、和種ハッカを使用しています。
このミントソフトは、今年2025年のGWに開催された「アイスクリーム万博 “あいぱく” Premium TOKYO 2025」に登場しました。私がこのミントソフトに初めて出会い、薄荷堂の存在を知った場所もこのあいぱくです。
店頭ではミントフレーバー1種のみが入った「ミント」と、チョコフレーバーと半々で入っている「ミックス」を販売していました。今回は、そのうちの「ソフトクリーム(ミックス)」を紹介します!
まるで「若葉」を味わう体験。ハッカのプロが創る、感動のチョコミントソフト

ずっしりした重みを手に感じながら、まず目を奪われたのは、やや明るめのチョコブラウンと渦を巻く、少し黄色味がかったミントグリーン。
口にした瞬間、これまでに食べたチョコミントソフトにはない違いを感じました。それは、「若葉のように柔らかく青々とした葉の香り」。突き抜けるようなシャープな清涼感とは違う、生命力にあふれたフレッシュな爽快感が全面に出ています。
「チョコミントジェラート」と同様、チョコの風味は濃厚で深みがあり、ミントと見事に溶け込んでいます。市販のチョコミントでは決して味わうことのない、この「生の葉」を思わせる若々しい感覚は、古くからハッカを知り尽くした会社の知見の賜物。作り手の技術と経験、さらにその哲学が、この1本のソフトクリームに凝縮されていると感じました。
ほんのりビターなココア風味のコーンも、ソフトクリームの味に馴染んでいて、ボリューム、味わいだけでなく、体験そのものが大満足でした。
《4種比較まとめチャート》
以上のレビューをもとに、今回ご紹介した「チョコチップミントジェラート」「塩ミルクミントジェラート」「チョコミントジェラート」「ソフトクリーム(ミックス)」の4種の特徴の違いをまとめてみました。
評価は100%私自身の個人的な感覚に基づいているので、あくまでも参考程度に見てくださいね☺️
商品名 | 清涼感(ミントの強さ) | 味のバランス(チョコ・ミルク・塩) | 食感・その他 | 全体的な印象 |
チョコチップミントジェラート | ★★★★☆ | 【王道のバランス】 力強いミントの爽快感を主役に、ミルクのコクとチョコレートチップの甘みがしっかり支える、最もオーソドックスで完成された味わい | リアル感あるミントグリーン。なめらかなチョコチップが甘みを添える | 上品でバランスの取れた、誰にでもおすすめの風味 |
塩ミルクミントジェラート | ★★★★☆ | 【甘じょっぱい新感覚】 濃厚なミルクのコクとオホーツクの塩味が織りなす「甘じょっぱさ」が主役。ミントは後から上品に香り、全体の後味を爽やかに仕立てる名脇役 | なめらかな舌触りのジェラート。純白の見た目からは想像もつかないミントの存在感に驚かされる | 「塩ミルク+ミント」というありそうでなかった組み合わせ。斬新さを求める人におすすめ |
チョコミントジェラート | ★★★☆☆ | 【ビターな大人の融合】 カカオ70%以上のクーベルチュールチョコレートがもたらす深い苦味と、それに負けないミントの爽やかな苦味が融合。ミルクが全体をまろやかにまとめる。 | 一体感のあるなめらかな口溶け | チョコを満喫したい人はもちろん、ビター&リッチな大人の味わいや、滑らかな口溶けを求める人におすすめ |
ソフトクリーム(ミックス) | ★★★☆☆ | 【フレッシュな生命力】 深みのあるチョコレート味と、フレッシュなミントが溶け合う。「若葉」を思わせる瑞々しく生命力にあふれた香りが印象的 | ずっしりと重みのある、なめらかなソフトクリーム。ほんのりビターなココア風味のコーンも相性抜群 | 市販品では出会えない「生葉感」を味わいを求める人におすすめ |
お店まで行けなくても、お取り寄せで食べられる!薄荷堂のミントアイスの入手方法
今回ご紹介した北見ハッカ通商(薄荷堂)のアイス、できればお店でできたてを食べてみたいですよね。北海道に住んでいない人でも、旅行で札幌や北見を訪れたときに立ち寄ってみるのもおすすめ。
北見の薄荷堂本店 (HAKKA’DO)はJR西北見駅から徒歩約10分、薄荷堂札幌店は地下鉄大通駅36番出口すぐのところにあります。
【薄荷堂本店】
住所 | 北海道北見市卸町1丁目7番地3 |
電話番号 | 0157-66-5655 |
交通手段 | JR西北見駅から徒歩約10分 |
駐車場 | あり(30台・無料) |
【薄荷堂札幌店】
住所 | 北海道札幌市中央区南1条西2丁目1-4 サンエス二番街ビル1・2F |
電話番号 | 011-215-1616 |
交通手段 | 地下鉄大通駅36番出口すぐ |
駐車場 | なし |
ただ、北海道に住んでいないとそれはなかなか難しいし、あいぱくのような期間限定のイベントを待つだけでは心もとない…。でも、ジェラート3種ならその必要はありません。北見ハッカ通商の公式オンラインショップでは、「ミントジェラート カップ 12個セット(チョコチップミント、チョコミント、塩ミルクミントが各4個入り)」が購入可能です。
また、ふるさと納税の返礼品としても提供されており、3種×2個の計6個入りセット(寄付金額12,000円)や3種×12個の計36個入りセット(寄付金額64,000円)、1Lサイズの大容量セット(寄付金額20,500円)も選べます。



また、もしかしたら今後、今回紹介した「アイスクリーム万博 (あいぱく)」でも、薄荷堂ミントアイスが登場するかも!?(その関連情報はまったくわかりません)
気になる方は、あいぱくの公式ウェブサイトでチェックしてみてください!
【商品情報】内容量・栄養成分表示・原材料名・アレルギー情報
価格は販売場所・販売形態によって変わるので、薄荷堂のホームページやネット販売サイトでご確認ください。





チョコチップミントジェラート

【栄養成分表示 ※1個(120ml)あたり/推定値】
エネルギー | 137kcal |
たんぱく質 | 3.0g |
脂質 | 6.6g |
炭水化物 | 17.7g |
食塩相当量 | 0.1g |
【種類・原材料・内容量】
種類別 | アイスミルク |
成分 | 無脂乳固形分:9.6% 乳脂肪分:6.7% チョコレート脂肪分:1.2% |
原材料名 | 牛乳(国内製造)、砂糖、乳製品、チョコレート、ぶどう糖 / 着色料(ほうれん草)、乳化安定剤(増粘多糖類)、香料、(一部に乳成分・大豆を含む) |
内容量 | 120ml |
【アレルギー情報】
原材料に含まれるアレルギー物質(28品目中) |
乳成分・大豆 |
塩ミルクミントジェラート

【栄養成分表示 ※1個(120ml)あたり/推定値】
エネルギー | 136kcal |
たんぱく質 | 3.1g |
脂質 | 5.8g |
炭水化物 | 18.0g |
食塩相当量 | 0.2g |
【種類・原材料・内容量】
種類別 | アイスミルク |
成分 | 無脂乳固形分:10.5% 乳脂肪分:6.8% |
原材料名 | 牛乳(国内製造)、砂糖、乳製品、ぶどう糖、食塩、乳化剤、安定剤(増粘多糖類)、香料、(一部に乳成分を含む) |
内容量 | 120ml |
【アレルギー情報】
原材料に含まれるアレルギー物質(28品目中) |
乳成分 |
チョコミントジェラート

【栄養成分表示 ※1個(120ml)あたり/推定値】
エネルギー | 173kcal |
たんぱく質 | 3.9g |
脂質 | 8.6g |
炭水化物 | 20.4g |
食塩相当量 | 0.1g |
【種類・原材料・内容量】
種類別 | ラクトアイス |
成分 | 無脂乳固形分:8.5% 乳脂肪分:2.5% チョコレート脂肪分:8.4% |
原材料名 | 牛乳(国内製造)、チョコレート、砂糖、ぶどう糖、乳製品、乳化安定剤(増粘多糖類)、香料、(一部に乳成分・大豆を含む) |
内容量 | 120ml |
【アレルギー情報】
原材料に含まれるアレルギー物質(28品目中) |
乳成分・大豆 |
北の大地で、自分好みの「本物のミントアイス」に出会おう
今回は、ハッカの聖地・北海道北見が誇る専門店が生み出した、北見ハッカ通商/薄荷堂の個性豊かな4種類のミントアイスをご紹介しました。4種類とも、私の知っている「ミントアイス」の常識を覆す、嬉しい感動を味わえる逸品ばかりでした。
栽培から製造までの工程を自ら手掛け、長年培った技術で唯一無二のミントアイスへと昇華させる。その一貫した姿勢から生み出された4種の味わいには、「本物のハッカの魅力を届けたい」という作り手の純粋な想いがまっすぐに込められているようでした。
本物だけが創り出せる味わいに仕立てられた4種は、和種ハッカが持つ本来の味わいを楽しませてくれている気がします。みなさんもぜひ、この「本物のミントアイス」の魅力を味わってみてください!☺️
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